今日は、同僚のドイツ人の先生とお昼ご飯を食べました。
話題は、「研究は世界経済を豊かにするのか」という内容へ。日本・アメリカ・ヨーロッパそれぞれの経済発展のお話をしてくださったことから、ふと 「先生はドイツからいらっしゃったわけですが、もし今、先生が30歳前後の若手研究者だとして、日本とアメリカの大学がアカデミックポストを提示してきたら、どちらを選ばれますか?それともやはり故郷・ヨーロッパの大学が良いと思われますか?」 と尋ねてみました。すると、ブンブンと頭を振られ、 「そういうことではない!」 とおっしゃいました(まさにDas ist nicht!という感じ、笑)。 「僕は研究に対する自分の心、感情、情熱、そういうものに従って歩んで来たらここにいたんだよ。」 とおっしゃいました。日本に来られた初年度の研究グループがあまりに素晴らしく、研究が最高に面白かったことが先生のモチベーションの始まりで、とても幸運だったとおっしゃっていました。役職だとかお給料だとか、本当にそういうもので研究に向けられる自分の心を維持することができるのか疑問だと。 嬉しかったのは、 "Tommy, you enjoy your own research, right?" と言ってくださったこと。"That is the most important"なのだと。私が研究を楽しんでいることが不思議と伝わっていました。先生と真剣に研究の最新結果をディスカッションすることはあまりないのですが。やっていることをご覧になったらおわかりになるのかな。自分の心に響かないものを、敢えて選び取る必要はないのだと勇気付けられました。 先生とのお話がヒートアップして、X線回折測定の約束をしていた指導学生を少し待たせてしまいました。それで先生に「今からXRDですので…」と昼食の終わりを告げると、"Oh, X-ray diffraction!"と興奮され、装置のある建物の玄関まで回り道をしてラウエ回折の話をしてくださいました。「XRDは一見シンプルだけれども、実は非常に奥が深い評価方法だ。僕はそのことに気が付いた時、とても嬉しかった。」とおっしゃっていました。どこまでも楽しい先生だ! アイデアが次から次から湧いてきて、正直、人手が足りません。やりたいことがいっぱいあります。一つ一つ、形にして論文にしていきたいと思います。私も心の赴くままに歩んでいこう。それがきっと、一番正しい道。
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